あの変態はなぜパンツを求めるのか? エピソード3:部長

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前回→http://tunachaofan.blog.fc2.com/blog-entry-148.html

第一話→http://tunachaofan.blog.fc2.com/blog-entry-143.html






 「よし、明日は裏ミス鷺森にターゲットを絞るよ」
くだらない思案にふけっていると、部長が唐突につぶやいた。
 「どんなアングルから撮ります?」
 「そうだね……裏ミス鷺森のパンツが見てみたい」
 そういうと、部長は不敵な笑みを浮かべた。
 至高のパンツマエストロ、M38星雲あたりに住まうおっぱい星人、イカ臭い王国の帝王などの名を馳せる部長は謎多き人物だ。
 趣味、氏名、年齢、血液型など、何もかもが不詳。唯一わかっているのは、彼を知る者は彼を「部長」と呼び、その部長は中二病をこじらせている素晴らしき人物ということだけだ。


 部長には有名な逸話がある。
 彼がまだ中学生だったその時分、影のびる放課後にて、部長は想い人に愛の告白をした。
 それがまたとんでもない代物で。
 ごく一般の男子であれば、
 「好きです! つきあってください!」
 とか、
 「俺、お前が好きだ!」
 などと告白するのが常識である。
 また、若干の中二病を発症している人は、
 「月がキレイですね」
 だったり、
 「君のためなら死ねる」
 などと屈折した表現で想いを告げる。その結果、まずもって告白と認識されなかったか、「重い」の一言で恋に敗れた男子は多いだろう。多くあってくれ。多くなきゃ困る。ちなみに俺はその大多数に含まれる。
 ところが、部長を普通の人とカテゴライズするのはあまりにも烏滸がましい。ただの中二病というのも憚られる。
 写真愛好部という名を借りた盗撮部を立ちあげて、授業中には「アウトサイダー」という難解な本を読み、「その本の内容って理解してるんですか」と聞けば「ハッハッハ、わかるわけないじゃないか」と屈託のない笑顔で返答する人である。
 普通ではない。有り体に言うなら常軌を逸してる。わかりやすくいうなら、尊敬できるほどの阿呆である。
 そんな人が、いったいどんな告白をするのか?
 答えはこれだ。
 「三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい」
 都々逸(どどいつ)である。
 まずもって中学生がなにゆえ都々逸を知っているのか。
 そもそも、それを相手にわかってもらえないと考えつかなかったのだろうか。いや、もしかしたらそれを承知のうえで小難しい都々逸を告白の場に持ちだしたのかもしれない。
 だとしたら、さすがは生粋のひねくれ者と褒め称えたい。
 結局、部長の恋が実るはずもなく、そのまま中二病をこじらせて現在に至ったそうだ。
 ちなみに部長は今でもその女の子のことが好きらしい。
 部長は自分を振った女性に再び告白をするために写真愛好部を立ち上げたのだと噂されているが、真偽の程は確かではない。
 女子の淫らな写真を撮るのがいったいなぜ告白につながるのか皆目検討もつかないが、部長がそう思うのならそうなのだろう。
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