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摩耶「霧島の姉御は物知りだって聞きやしたが……」 艦これSS 

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※このお話は落語の「浮世根問」や「やかん」を元にした艦これ二次創作です。


摩耶「そんなに物知りなんですかい?」

霧島「うーん……まぁ、自慢じゃないんだけれどね。この世の中で知らないものを知らないというぐらいの物知りではあるわね」

摩耶「へぇ、そうなんですかい」

霧島「ええ、そうよ」

摩耶「なんでそんなに知ってるんです?」

霧島「まぁ、若い時分から難解な書物を紐解いていただけの話よ」

摩耶「書物の紐解く? それじゃ本がバラバラになっちまうじゃないですかい」

霧島「意味が違うわ。紐解くというのは、本をバラバラにするのではなくて、本を読むという意味なのよ」

摩耶「へぇ、じゃあ何か本の読み方みてぇなもんもご存知で?」

霧島「もちろん。例えば、真剣にジックリと読むことを熟読、座って読むのは通読、手当たりしだいに読むのを乱読というのよ」

摩耶「じゃぁ、読まないで置いとくのを『積んどく』ってのはどうですかね!?」

霧島「……なかなかおもしろいこというのね」





摩耶「ありがとうごぜぇやす。いやなに、姉御が物知りだってのはわかりやしたよ」

摩耶「それででしてね、姉御。物知りの姉御に聞きてぇことが山ほどあるんですよ」

摩耶「とかくこの世は謎だらけでしてね」

霧島「けっこうなことよ。まぁ、私も暇だし話し相手になってあげるわ。それに、聞くは一時の恥聞かぬは末代の恥といってね、知らないことがあったらジャンジャン聞いたほうがいいのよ」

摩耶「はぁ、なんでもいいんですかい?」

霧島「ええ、なんでもいいわ」

摩耶「じゃあ、コンニャクはなんでコンニャクっていうんですかい」

霧島「いかにもコンニャクらしいからよ」

摩耶「……なんだかよくわからない」

摩耶「一番大きな動物、知ってます?」

霧島「知ってるわ、ゾウでしょ」

摩耶「へへぇ、姉御。そいつはちょいと間違いだ。ゾウよりもっと大きいのがいる」

霧島「もちろんよ、そのゾウより大きなゾウでしょう?」

摩耶「……へぁ?」

霧島「大きなゾウに決まってるじゃない。それがダメならそれよりももっと大きなゾウ」

摩耶「……ち、違いますよ姉御。クジラがいるじゃないですか」

霧島「クジラ? まぁ、たしかにクジラはゾウよりでかいわね。でもクジラは魚じゃない。海で泳いでるから動物じゃないわ」

摩耶「……哺乳類ですよ?」

霧島「ほにゅうるい?」

摩耶「知らないんですか?」

霧島「知ってるわよ。牛とか馬とか……」

摩耶「そうですよ。知ってるのなら話がはやい。ね、やっぱり一番大きな動物はクジラだ」

霧島「でもね、ちょっと待ってよ。牛とか馬、犬もネズミをいっしょにするのはまだわかるけど、クジラは違うじゃない。えっ? 牛が潮でも吹くの? クジラは違うじゃない。海を泳いでるし、誰がどう見たって魚でしょう」

霧島「第一、クジラは漁業で扱ってるじゃない」

摩耶「はっはー……なるほど……」

摩耶「……人間は偉いんでしょう?」

霧島「どうして?」

摩耶「万物の霊長だって人間はいいますよ。で、霊長類が一番偉いんだと」

霧島「偉くないわよ。人間がいるから地球が汚れるんだから」

摩耶「でも人間というのは考える力がある。人間は考える葦であるっていうじゃないですか」

霧島「それがなんだってのよ。それに考えるといっても、人間はいっつも悪いことばっかり考えてるじゃない」

霧島「提督を見てご覧なさいよ。何かあればすぐまたおしりを触ったりパンツの中まさぐったり……」

摩耶「じゃあ、動物のほうが偉いんですかい?」

霧島「そりゃそうよ。おっぱいを不意に触ったりなんてしないもの。人間みたいに余計なことなんてしないから偉いんでしょうね」

摩耶「うーん……海は広いですよね。なんで広いんですか?」

霧島「池と間違えられちゃうからよ」

摩耶「池はなんで池というんですか?」

霧島「周りに池井さんとか池田さんとか小池さんとか池中さんとか、そういう人がまわりにいたら池という名前が付けられたのよ」

摩耶「沼は?」

霧島「だから沼田さんとか大沼さんとか小沼さんとかがそういう人がいたから沼になったのよ」

摩耶「ふーん……じゃあ、沼と湖は何が違うんですか」

霧島「気持ちいいのが湖で気持ちの悪いのが沼」

摩耶「……それでいいんですか?」

霧島「それのどこが悪いのよ?」

摩耶「えええっ!? それじゃあ、海はなんでしょっぱいんですか?」

霧島「シャケがいるからよ」

摩耶「シャケはなんでシャケっていうんですかい?」

霧島「アレは冷たいところにいるでしょ。北海道とか。それで、あの魚を捕まえるとき水に手を突っ込んだら「しゃっけぇ!」ていうでしょう。それでよ」

摩耶「ホッケは?」

霧島「北海道にいるからホッケ」

摩耶「ニシンは?」

霧島「西にいるからニシン」

摩耶「……いいんですか?」

霧島「どこが悪いの?」

摩耶「……それじゃぁ、その名前は誰がつけてるんですか?」

霧島「いろいろあるでしょうね。自分でつける場合もあるし、周りからつけられる場合もある。それだけのもんよ」

摩耶「ほうほう。じゃあ、イワシなんかは?」

霧島「自分で『俺はイワシだ!』といったのかもしれないし、他のやつが『アレがイワシだ』といったのかもしれないわ。とにかくいろいろあるのよ。岩に向かってオシッコをシーってやってたらイワシになったのかもしれないし」

摩耶「……そういうふうに考えていいんですか?」

霧島「だからそれのどこが悪いのよ」

摩耶「……するってぇと、タイは……」

霧島「対をなしてるからタイ」

摩耶「そういおうと思ったんですよ。それでいいんですね?」

霧島「それでいいのよ」

摩耶「ほう……それじゃ、ブリはぶりぶりしてるからブリ!」

霧島「そう。ブリはブリはぶりぶりしてるからブリ」

摩耶「あっ、もしぷりぷりしてたらどうします?」

霧島「プリでいいじゃない」

摩耶「……マジですか?」

霧島「だから、あなただけがプリっていえばいいのよ。みんなはブリっていってるけど、あなたはプリって思ったんだからプリっていう。それでいいじゃない」

霧島「あなたがどう思われるかは二の次だけどね」

摩耶「……すると、サバはさばさばしてるからサバ?」

霧島「そう、サバはさばさばしてるからサバ!」

摩耶「サンマは?」

霧島「サンマ? サンマは誰が見たってサンマじゃない。あれがタイみたいならタイっていったんだけどね、サンマはサンマみたいだからサンマっていったのよ。疑わしいのなら鎮守府にいる艦娘全員を呼んできなさい、『これがサンマよ』って全員の前でいうから。そしてこれが『タイに見えるか』って聞くから。全員が『いいやこれはサンマだ』っていうでしょうね」

摩耶「うーん、ダメだ。話を変えよう。……えー、そういや、地球は丸いって誰かがいってましたよね」

霧島「またよくそういうこというのね。なんで地球が丸いのよ? となり町までずっとまっすぐじゃない。ずっとずっとまっすぐじゃない」

摩耶「でも丸いからとなり町から帰ってこれるんじゃないですか?」

霧島「丸くなくたって帰ってこれるわよ。いっつもとなり町までおつかいに行く雷ちゃんとか電ちゃんとかみてるでしょ? ちゃんと帰ってきてるじゃない」

摩耶「……丸くないんですか?」

霧島「丸くないのよ。地球が丸かったらよく転んじゃうじゃない」

摩耶「いや、それはですね。引力ってのがあるんですよ」

霧島「引力がある? あるんだったら持って来なさい。いくらだろうが買ってあげるから。その引力ってのはどこにあるのよ?」

摩耶「いやだからその……引力があるから人は立ってられるんですよね?」

霧島「少しは頭を使いなさいよ。人間は意志で立ってんのよ? 引力で立ってんじゃないのよ? そうでしょ?」

摩耶「はぁ……ですがね、地球儀って見たことないんですか?」

霧島「あるわよ」

摩耶「アレ丸いじゃないですか」

霧島「まさかあなた、文房具屋で売ってるものを信用してるわけじゃないわよね?」

摩耶「……日が昇る、日が沈むっていうじゃないですか」

霧島「だからなんなのよ?」

摩耶「だから、太陽の周りをまわってるからそうなるんじゃないんですか?」

霧島「違うわ。日が昇る、日が沈むっていうのは太陽が動いてるからそういうのよ」

摩耶「へっ?」

霧島「地球がもし動いてんだったら、地球が傾くっていうはずでしょ。それなのに、日が昇る、日が沈むっていうのは太陽が地球の周りを動いてる証拠よ」

摩耶「はぁ……どこに沈むんですか?」

霧島「海に沈むんのよ。沈むとジュって音がするんだけど、聞いたことない?」

摩耶「……うーん」

霧島「ありえないと思うのなら西の海にいってみなさい。太陽の燃えカスみたいな黒い塊が落っこちてるから」

摩耶「じゃあ、毎日あたらしい太陽がアッチの方から出てくるんですかい?」

霧島「そうよ。察しがいいわね」

摩耶「……ホント?」

霧島「本当よ。太陽が出てきてそれが沈むのを見てるでしょ? で、沈んでからまたあたらしい太陽が出てくるっていうことは、そういうことにならない?」

摩耶「はぁ……じゃあ、太陽が出てくるところはどうなってんですか?」

霧島「そこには太陽の卵巣があって、それがどんどん大きくなって、そしてそれがあるところまで大きくなると空に浮かぶのよ。それを日が昇るっていうのよ」

摩耶「うーん……それじゃあ、地球はまっすぐになってると。すると、ずっと向こうのほうはどうなってんですか?」

霧島「向こうのほうは気にするからいけないのよ。こっちの方だけを気にしてなさい」

摩耶「気になっちゃうんですよ。気になって夜も眠れない」

霧島「……しょうがないわね」

摩耶「じゃあ聞きますからね。日本の西をどんどんどんどん行くとどうなります?」

霧島「日本の西は長崎でおしまいね」

摩耶「長崎なんざかまわねぇんでそこをもっとどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「長崎の西は海よ」

摩耶「じゃあ、その海をどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「日本の海の西は荒海よ」

摩耶「その荒海を越えてどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「荒海の先は外国よ」

霧島「外国の西をどんどんどんどん行ったらどうなります?」

霧島「外国の西は西洋ね」

摩耶「……西洋?」

摩耶「じゃあその西洋をどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「太陽の燃えカスの黒い塊がある海につくわね」

摩耶「それがあるか確認してから、どんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「それより先は泥の海よ。船では行けないの」

摩耶「変な海がありやがったな……。でもここまで来たら泥海なんざで驚くもんか。船で行けないってんなら、大きなドジョウにでもつかまってね、どんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「その先はね……霧立ち込めるもうもうとしたところよ」

摩耶「なんだ? 牛みてぇなところがありやがる」

摩耶「じゃあそのもうもうとしたところをどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「その先は真っ黒になってて行くことができないわ」

摩耶「真っくらなんざかまうもんか。真っくらなところを目潰ってどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「その先は行けども行けども海よ」

摩耶「行けども行けども海をどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「……その先はダメよ」

摩耶「何がダメなんです?」

霧島「大きな塀があってその先には進めないのよ」

摩耶「変なところに塀がありやがるな……海の中に塀があるとは思いませんでしたよ。じゃあその塀をを越えてどんどんどんどん西に行ったらどうなります?」

霧島「……もうこの話は止めにしましょう。頭が痛くなってきたわ。いくら私がなんでも知ってるからってそこまで根掘り葉掘り聞くのは失礼よ」

霧島「誰だって、大きな塀を目の前にしたら帰っちゃうわ。そこで塀を越えると来るんだもの。あなたね、そんなことやってたら、そのうちみんなに嫌われるわよ?」

霧島「さっきも鳥海がグチをこぼしに来たわ。100円とられたって。妹だからって、お金を取るのはいけないわ」

摩耶「とってませんよ。もらったんです」

霧島「もらった?」

摩耶「ええ、ですからね。鳥海が姉御みたいに世の中に知らないものはないってえばってやがるんですよ。くやしくてしょうがないから、鳥海にも同じように西に行くとどこに辿り着くか聞いていったんですよ」

摩耶「そしたら鳥海も塀があるとかなんとかぬかすんですよ。でも俺はその先は何があるその先は何があるとばっかりくり返したんですよ。二時間ほどね」

摩耶「そしたら鳥海がとうとう音を上げて『100円あげるからもう帰ってよ』とこういいましてね」

摩耶「それから100円をもらって、ここに来たんですよ」

摩耶「どうします、続けますか? 『どんどんどんどん西に』とやりますか? それとも、塀の先がわからないなら、100円ください」

霧島「誰がやるか!」


艦これ×落語:浮世根問でございます。


byすなぎも

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