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来し方行く末、あなたと共に! プロローグ

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この物語は、主人公・室戸(むろと)がループを脱出するために、
アニメやマンガの知識を駆使して脱出しようと試みる物語。
暇つぶしに読んでいただけたらこれ幸い。



byすなぎも


プロローグ:はじまりは夕暮れと共に・ちーさんの視点


 もしも夕暮れごろ。 


 右手に名状しがたいバールのようなものを握りしめる白黒調のゴスロリチックな女装をした同級生が前方からやってきたら、どうすればいいのでしょうか?


 それは七月一日の十九時二十一分の出来事でした。帰路の途中、寄り道したコンビニで買った『ペプシコーラ・どろり濃厚バオバブシソブランゴールド味』を飲みながら歩いていると、室戸さんはまるで蝶のように軽はずみなステップをくり返しこちらにやってくるのです。
 最初は、「ゴスロリ調の服を着た女性が楽しそうにスキップをしている」程度の認識だったのですが、その女性が、いえ、彼が近づいてくるたびに、私の頭は混乱してめまいがしました。
 そもそも、室戸さんに女装する趣味があったとは知らなかったのです。彼が近づいてきて、室戸さんが女の子の服装を身につけていると理解できた瞬間、驚くとともに、女装が型にはまっていてほんの数秒「かわいいな」と思ってしまったのが少しくやしかったです。
 室戸さんはあにめがとても大好きな人なので、もしかしたらあにめに出てくる人物のこすぷれをしているのかもしれないと思いました。しかし、右手に持っているバールのようなものがなんなのかよくわかりません。最近のあにめの女の子はバールのようなものを持つのが主流なんでしょうか?
 目の前まで来た室戸さんは、『雨に唄えば』を口ずさみながら『時計じかけのオレンジ』の主人公のように半狂乱の笑みを浮かべつつ、夕日を背にあびて光り輝いています。室戸さんの顔には影がさしていて、なんだかとても不気味です。
 私は話しかけるべきかどうか少しだけ悩んだ結果、どうにも無視をするのはよくないと思ったので、室戸さんに話しかけることにしました。
 「あの……、室戸さん、ですよね?」
 「おやぁ? ちーさんじゃないか! 奇遇だね、こんなところで出会うなんて。これも星の巡り合わせというやつかな?」
 いつも寡黙な室戸さんのテンションがやけに高くて、ちょっと怖いです。室戸さんの黒い短髪は腰まで届く長い銀髪に変わっていて、声まで女の子のようです。それに、普段は死んだ魚のように目をしているのに、今の室戸さんの瞳は歪なほど爛々と輝いていて、とにかくいつもの室戸さんとは様子が違います。ただ一つ、メガネだけは変わっていません。小学生の頃から同じフレームを使っている室戸さんのメガネだけは、変わっていませんでした。
 「……む、ろとさん? どう、したんですか?」
 「星辰が重なって邪神が目覚めしとき、歩道の終わるところにある世界の果てから次元の扉が開いたんだ。すると電脳世界と現実世界は重なりあい、アトラクタフィールドを越えて今あった世界は異次元との収束を始めた。すると不可逆性を孕んだ直線状の時間軸の一部が円環となってまや姉の恋はデ・ジャブしたんだ。僕はその恋の円環に取り残された。だから僕は、この世界で戯れようと思うんだ!」
 「な、何を言ってるのかわかりません!」
 「そうだね! 知ってるよ!」
 「ええっ!?」
 「それじゃ『十九時二十八分の後で』また会おう! あと、これはもらっていくよ!」
 こうして、室戸さんは私が買った『ペプシコーラ・どろり濃厚バオバブシソブランゴールド味』をひったくって、颯爽とどこかへ消え去ってしまいました。
 室戸さんがいなくなると、周りには静けさだけがたゆたっていていました。夏の暑さをやわらげる風が私の額に貼りついた汗を乾かそうとしてくれます。遠くを眺めると、夕日が山の向こうにその身を半分ほど沈めていました。
 私は、目の前で起こった出来事を振り返り、
 「……今のって、何……?」
 と、思わず呟いてしまいました。


 いったい、室戸さんに何があったのでしょうか?




第一話:現状・室戸の視点
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