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来し方行く末、あなたと共に! 第十六話

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この物語は、主人公・室戸(むろと)がループを脱出するために、
アニメやマンガの知識を駆使して脱出しようと試みる物語。
暇つぶしに読んでいただけたらこれ幸い。


プロローグ:はじまりは夕暮れと共に・ちーさんの視点


第十五話:止まらない吐き気
第十七話:もうタイムリープには気づいてる


第16話:もしもこれが現実ならば


 「はぁ……はぁ……ありがとう、ちーさん。もう、大丈夫だよ」
 「ホントですか? ホントにですか?」
 「うん、そんなに、心配しなくてもいいよ。それよりも、ちーさん」
 「は、はい?」
 「……ここが、いったいどこなのか、俺に教えてくれるかな?」
 「えっ? ここって……部室、ですけど」
 「……やっぱり?」
 「はい、そうですけども……どうしましたか?」
 「いや、なんでもないんだよ」
 先ほど顔を上げて見えた光景が、俺にはどうも信じられなかった。これは夢なんだって、そう信じたかった。
 しかしどうにも、吐き気による不快感も、ちーさんの暖かな手のひらの感触も、先ほどの光景も、夢ごとく遊離した感覚にあらず、確かにここにあると感じられる。
 だからちーさんの言葉も、紛れもない真実なのだろう。
 ……これが、これが現実なのか。
 では、あの邪神たちが狂喜乱舞する宴会も、歩道の終わりにいたあの人々も、終わらないお茶会の三月ウサギ人間も。
 すべてが、現実だったというのか?
 さすれば、今まであり得るはずのないと信じてやまなかった二次元とは、いや幻想とは、いったい何だったのだろうか。
 自分の中で、現実と幻想の境目が音を立てて崩壊してゆく。何が現実で、何が幻想なのか。今の俺にはそれすらよくわからない。現実と幻想の区別だけは明瞭に分別できていると自負していた、この俺が。
 「室戸さん……ホントに、大丈夫ですか? 手、震えてますよ」
 気がつけば、俺の手は小刻みに揺れていた。いや、手だけではない。体全体が、わずかながら身震いに侵されていた。
 ―――――――――――恐怖。
 そう。今ここで湧き上がる感情を形容するならば。その言葉が一番シックリくるだろう。俺は恐れ慄いている。宇宙の果てから這い寄るものの姿なき幻影に。
 「ごめんね、ちーさん……やっぱり、少し、大丈夫じゃないかもしれない」

     ◇

 状況を。戦々恐々としてる場合ではない。現状がどうなっているか。迅速に確認しなくては。
 今日は元友人に罵声をとばした後、ちーさんとお話をした。そしてちーさんに、あれを占っていいのかどうかはわからないが、占いをしてもらった。この一連の流れが終わると、俺は下校して自宅へと辿り着いた。今日は俺の誕生日で、それを祝うために家では妹が待っているはずが、妹の姿はどこにも見えなかった。妹が帰ってくるまで暇を潰そうと自室へ向かい、『True Heart』を起動するも、スタート画面にはまや姉の姿がなく、妹と思しきキャラクターがそこにいた。そして、わけもわからず混乱していると、家にまや姉がやってきて、俺は譫妄の世界を駆け巡ったかと思うと、いつの間にか我がアニ研部の部室でゲロを吐いていた。
 な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだ。ふぁんたんとチュッチュしたいだとか音速で走るハリネズミだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしい宇宙的恐怖(コズミックホラー)の片鱗を味わったぜ……。
 吐瀉物を片付けながら俺は何が起こったのか理解しようと努めたが、さっぱりわからなかった。この数時間で、あまりに現実離れした現象を目の当たりにしてきたせいだろう。考えがうまくまとまらない。


 しかし。俺は想像を巡らせる。
 もしも。非現実的な事象が目の前で起こっているのだとすれば。
 まや姉。彼女と妹を天秤にかける。
 ならば。俺はすぐさま動きまわらなければならない。


第十七話:もうタイムリープには気づいてる
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